22年易武正山火焼寨・小茶餅

【ご案内】2025年より茶葉紹介方法を動画解説から文章解説にリニューアルいたします。
これまで動画でのご紹介を中心に行ってまいりましたが、「毎回動画を見るのが少し手間に感じる・見たい部分を探すのに時間がかかる」というお声もあり、このたび新しい形に変更することとなりました。
・茶葉の特徴をまとめた説明文
・大高勇気バイヤー視点の解説
・産地や環境についての紹介文　　3つの視点から、わかりやすくお茶をご紹介します。
お茶の特徴がより掴みやすい説明文に加え、バイヤー・大高勇気の視点から「なぜこのお茶を選んだのか」「どこに魅力を感じたのか」を丁寧にお伝えしていきます。さらに、産地や栽培環境などの背景もあわせてご紹介することで、お茶を飲みながらその土地の風景や作り手の想いまでも感じていただけるような情報をお届けしたいと考えています。 至らない点やご不明な点がございましたら、ぜひご意見・ご感想をお寄せいただけましたら幸いです。これからも中国茶のある豊かな時間を、どうぞお楽しみください。

【生プーアル茶・易武正山火焼寨】は、雲南省・易武山の火焼寨で摘まれた春茶を用いた、スタンダードな味わいの生プーアル茶です。 今年の火焼寨は、ほんのりと華やかな香りにやさしい甘みが溶け合い、強すぎないコクとのバランスが秀逸です。 お湯を注ぐと、軽やかな花香がふわりと立ちのぼり、心を静かに和ませます。 口に含むと、柔らかな飲み口の後に穏やかな甘味がひろがり、香り・味・後味の三拍子がととのった心地よい余韻が続きます。 海抜がそれほど高くない産地ゆえに価格は比較的リーズナブルながら、品質と満足度の高さでコストパフォーマンスに優れる一杯です。

【大高勇気バイヤー視点の解説】 香りと味わいの調和が非常に美しい、生プーアル茶の中でもやさしさが際立つ一杯です。初めて試飲した際に感じたのは、ふわりと立つ穏やかな香りと、舌にやさしく広がる柔らかな味わいの絶妙なバランス。その心地よさが、このロットを選んだ決め手でした。後味にはほんのりとした甘さが残り、清らかで透明感のある余韻が口いっぱいに広がります。生プーアル茶の中でも主張が強すぎず、優しく寄り添うような風味は、初心者の方にもぜひおすすめしたいポイント。さらに、品質に対して価格も非常に手頃で、コストパフォーマンスに優れています。生プーアルを気軽に試してみたい方、バランスの取れた一杯を求める方にぴったりの、やさしくも確かな魅力を持ったお茶です。

易武正山火焼寨・茶葉生産年：2022年秋
賞味期限：50年

古道の面影を残す香りの郷・火焼寨（ひしょうさい）
火焼寨は、中国雲南省西双版納（シーサンパンナ）州勐腊県・易武鎮に位置する歴史ある茶郷で、易武茶区の中でも静かな山間にたたずむ落ち着いた村です。かつて茶馬古道の一部として栄えたこの地では、今も伝統的な茶づくりが息づき、古樹から採れる希少な生プーアル茶が高く評価されています。

標高1,500〜1,600メートルに位置する火焼寨は、霧が多く立ち込める湿潤な気候と肥沃な赤土壌、そして澄んだ水に恵まれ、茶葉に豊かな香りと優しい甘みを与えます。この地では農薬や化学肥料に頼らない自然栽培が守られており、春には樹齢百年を超える古茶樹から丁寧に手摘みされた新芽が、伝統的な製法で仕上げられます。

火焼寨の生プーアル茶は、華やかな花香とやわらかな口当たりが特徴です。口に含むと、穏やかに広がる甘みとほのかな渋みが心地よく調和し、余韻には繊細な香りが静かに残ります。派手さはないものの、飲むたびにじわりと深みを感じさせる、優しさと奥行きを備えた味わいです。

火焼寨が育んだ、静けさと歴史をまとった生プーアル茶。
一煎ごとに沁みわたるような時間を、ぜひお楽しみください。