紅茶・25年雲南晒紅茶・南糯山

【ご案内】2025年より茶葉紹介方法が文章解説に進化しました。
・茶葉の特徴をまとめた説明文
・大高勇気バイヤー視点の解説
・産地や環境についての紹介文　　3つの視点から、わかりやすく解説します。

【雲南晒紅 南糯山（2025年春）】は、西双版納・南糯山の若芽を用い、乾燥工程を天日で仕上げた、自然味あふれるやさしい紅茶です。 今年のロットは、透明感のある甘みとしなやかな口当たりが際立ち、毫香（産毛の香り）も繊細に感じられます。 お湯を注ぐと、やわらかな花の香りの奥から、日光乾燥由来の澄んだ甘香がふわりと立ちのぼります。 口に含むと、ほんのり上品な酸味と心地よい甘みが一体となって舌を包み、やわらかく滑らかな質感が静かに広がります。 飲み終えた後も舌の上に清らかな甘みが長く残り、育成環境の良さを物語る余韻が続きます。※おすすめは約90℃、やや低めの温度で淹れて、甘みと旨味のバランスをお楽しみください。

【大高勇気バイヤー視点の解説】 西双版納・南糯山の若芽を太陽光でゆっくり乾かした晒紅です。日光由来の自然な果実香や白い花、わらを思わせる素朴なニュアンスが重なり、“田舎の風”のように心地よい立ち香が広がります。 口に含むと、機械乾燥では出にくい酵素の働きが穏やかに残るため、透明感のある甘みとやわらかな酸味がスッと伸び、滑らかな質感のまま舌を包み込みます。飲み込んだ後も瑞々しい甘香が長く続き、「作られた香り」ではなく“湧き上がる”清らかさが印象に残ります。 バイヤーとしては、自然乾燥がもたらす香りの純度・味わいの伸び・余韻の持続が高いレベルでそろった点を評価し採用しました。抽出は約90℃のやや低めで短時間が推奨です。甘みと旨味のバランスがいっそう際立ち、南糯山ならではの透明感を存分にお楽しみいただけます。

雲南晒紅南糯山生産日：2025年4月15日
賞味期限：50年

古茶林が息づく甘香の郷──多依寨（たいいさい）

多依寨は、中国雲南省西双版納（シーサンパンナ）州勐海県・南糯山の中腹、標高およそ1,400メートルに位置する山里です。山肌を覆う原生林には樹齢数百年の古茶樹が点在し、少数民族ハニ族の暮らしとともに、昔ながらの自然栽培が守られてきました。

南糯山特有の赤い酸性土壌と、昼夜の寒暖差を生む高地気候、そして一年を通じて発生する潤いある霧が、茶葉にしっとりとした甘みと爽やかな芳香を授けます。春にはハニ族の手によって一芯二葉が丁寧に摘み取られ、揉捻と殺青を穏やかに施す伝統工程で、生プーアル茶へと仕上げられます。

多依寨の生プーアル茶は、淡い黄金色の茶湯から立ち上がる蜜柑の花を思わせる甘い香気と、ほんのり柑橘を帯びた清涼感が特徴です。ひと口含むと、とろりとした質感とともに優しい甘みが舌を包み込み、わずかな苦みが瞬時に甘露へ転じる“喉越しの変化”が心地よく続きます。飲み進めるごとに、古茶林ならではの奥行きある甘香と滑らかな喉ごしが重なり合い、穏やかな余韻を長く残します。

多依寨が育んだ、古樹の生命力と山霧の潤いを映す生プーアル茶。
自然の甘香が重なる一杯を、どうぞゆったりとご堪能ください。