青茶・25年鳳凰単叢・山韻八仙

【ご案内】2025年より茶葉紹介方法を動画解説から文章解説にリニューアルいたします。
これまで動画でのご紹介を中心に行ってまいりましたが、「毎回動画を見るのが少し手間に感じる・見たい部分を探すのに時間がかかる」というお声もあり、このたび新しい形に変更することとなりました。
・茶葉の特徴をまとめた説明文
・大高勇気バイヤー視点の解説
・産地や環境についての紹介文　　3つの視点から、わかりやすくお茶をご紹介します。
お茶の特徴がより掴みやすい説明文に加え、バイヤー・大高勇気の視点から「なぜこのお茶を選んだのか」「どこに魅力を感じたのか」を丁寧にお伝えしていきます。さらに、産地や栽培環境などの背景もあわせてご紹介することで、お茶を飲みながらその土地の風景や作り手の想いまでも感じていただけるような情報をお届けしたいと考えています。 至らない点やご不明な点がございましたら、ぜひご意見・ご感想をお寄せいただけましたら幸いです。これからも中国茶のある豊かな時間を、どうぞお楽しみください。

【鳳凰単叢 山韻八仙（2025年春）】は、広東省・鳳凰山で早春に摘み取った芽葉を穏やかな焙煎で仕上げた、花蜜のような甘香と上品な厚みを備えた烏龍茶です。 今年の八仙は、透き通った花蜜香の奥に例年よりやや厚みのある旨味が隠れ、出来栄えの良さが際立っています。 お湯を注ぐと、華やかな花蜜の香りがふわりと立ちのぼり、心をそっと包み込む柔らかなアロマが広がります。 口に含むと、とろけるような滑らかさとやさしい味わいが舌を覆い、じわりと甘みが広がりながら例年より厚みのあるコクが静かに重なります。 余韻にはほのかな清涼感を伴う甘香が長く残り、上品さとほど良い厚みが共存する2025年ならではの完成度を物語る一杯です。

【大高勇気バイヤー視点の解説】 広東省・鳳凰山の早春に芽吹いた若葉をやわらかな火入れで仕上げた、上品な蜜香系の烏龍茶です。今年のロットは、華やかな花香の奥にとろりとした厚みが感じられ、例年以上に完成度の高い仕上がりとなっています。ひと口含むと、繊細で滑らかな飲み口の中に、蜜のような甘みとやさしい旨味がゆるやかに広がり、舌の上に心地よい重なりを残します。 特に印象的だったのは、“厚み”の質です。香りや味わいは技術で寄せることが可能ですが、味の厚みは気候や茶樹の状態が揃った年にしか現れません。人の手では作り出せない価値を感じ、このロットを選びました。余韻にも甘く清涼な香りが長く残り、今年は“八仙の当たり年”とも言える出来栄えです。軽やかでいて奥深い――その両立を果たした、バイヤーとして自信をもっておすすめできる一杯です。

山韻黄枝香生産日：2025年4月13日
賞味期限：36ヶ月

高嶺の風香る茶の郷・大坪村（だいへいそん）

大坪村は、中国広東省潮州市潮安区の鳳凰鎮に位置する山間の村で、香り高き鳳凰単叢（ほうおうたんそう）の銘産地として知られています。鳳凰山系の中腹に広がるこの地域は、豊かな自然と高い標高に恵まれ、個性あふれるウーロン茶を育む理想的な環境が整っています。

大坪村は標高約1,000メートルに位置し、霧が立ちこめる気候と澄んだ空気、そして岩がちな土壌が、茶葉に力強さと複雑な香りを与えています。この地では、樹齢の長い単株（単叢）から採れる茶葉が特に重宝され、それぞれが果花香・蜜香・木香など、異なる香気を持つ唯一無二の存在として大切に扱われています。春になると丁寧に手摘みされ、伝統的な半発酵製法でじっくりと仕上げられます。

大坪村の鳳凰単叢は、香りの豊かさと変化の妙が最大の魅力です。お湯を注げば、熟した果実や花、焙煎香などが次々に立ち上がり、ひと口含めば、透明感のある甘みと芯のあるコクがゆっくりと広がります。飲み終えた後にも、複層的な香りが長く余韻として残ります。

大坪村が育んだ、自然と時間が磨いた香りの芸術・鳳凰単叢。
一煎ごとに移り変わる風味の旅を、ぜひお楽しみください。

鳳凰単叢原産地・鳳凰山の生態環境をご覧ください！

生産日：2024年4月6日
賞味期限：36ヶ月