黒茶・17年雲南熟プーアル勐海宮廷・勐邦

【ご案内】2025年より茶葉紹介方法が文章解説に進化しました。

・茶葉の特徴をまとめた説明文

・大高勇気バイヤー視点の解説

・産地や環境についての紹介文　　3つの視点から、わかりやすく解説します。



【熟プーアル茶 勐海 宮廷・勐邦（2017年）】は、勐邦産の宮廷等級＝黄金色の新芽を主体に用い、やわらかな発酵でまとめたロットです。注いだ瞬間、端正な陳香に黒糖を思わせる甘い香りが重なり、落ち着いた気配がふわりと広がります。茶湯は絹のように滑らかで、黄金芽由来のやさしい甘みと丸い旨味がゆっくり折り重なり、渋みは控えめ。甘み・旨味・口当たりのバランスが秀逸です。飲み終えた後も澄んだ甘香が長く残り、上品な後味が静かに続きます。バイヤー視点では、新芽比率の高さが生む“甘みの純度”と、毎日飲んでも疲れない調和の良さを高く評価しました。




【大高勇気バイヤー視点の解説】
勐邦の宮廷等級――黄金色の新芽を多く含む原料――で仕上げた、落ち着きとやさしさが同居する熟茶です。
今年のロットは、柔らかな新芽の甘みを軸に、甘味・旨味・まろやかさのバランスが秀逸で、穏やかな飲み心地が際立ちます。
お湯を注ぐと、やわらかな陳香の奥に蜜を思わせる甘い香りがふわりと立ちのぼり、心を静かにほどいてくれます。
口に含むと、丸みのあるコクがなめらかに広がり、黄金芽由来の上品な甘みが舌の上にやさしく重なります。
余韻には澄んだ甘香が長く残り、落ち着いた味わいと新芽の甘みを両立させた、完成度の高い一杯です。



勐海宮廷・勐邦生産年：2017年春

賞味期限：50年



雲南省・勐邦の熟成茶郷──勐邦（もうほう）


勐邦は、中国雲南省西双版納州勐海県の南西部に位置し、豊かな自然と温暖な気候に恵まれた熟プーアル茶の名産地です。山々に囲まれた静かな土地には、樹齢数百年の古茶樹と茶畑が広がり、少数民族の人々が代々守り継いできた茶づくりの文化が息づいています。



標高は1,200〜1,600メートル。年間を通して温暖で湿潤な気候は、熟茶の発酵・熟成に理想的な環境を提供します。春に手摘みされた茶葉は、伝統的な渥堆（あくたい）発酵によってじっくりと仕上げられ、やわらかな甘みと丸みのある風味が引き出されます。化学肥料や農薬は使わず、自然と共生する栽培方法が守られています。



勐邦の熟プーアル茶は、黒糖や干し果実を思わせる芳醇な香りと、口の中に広がるまろやかで深い甘みが特徴です。時間の経過とともに角が取れ、よりしっとりとした味わいに熟成していきます。その一杯は、心と体をやさしく温めてくれます。



勐邦が紡ぐ、時と自然が育てた熟成の妙。

芳醇でやわらかな滋味を、ぜひご堪能ください。