黒茶・16年雲南熟プーアル老茶頭・勐邦

【ご案内】2025年より茶葉紹介方法が文章解説に進化しました。
・茶葉の特徴をまとめた説明文
・大高勇気バイヤー視点の解説
・産地や環境についての紹介文　　3つの視点から、わかりやすく解説します。

【熟プーアル茶古樹老茶頭・勐邦（2016年春）】は、古樹由来の大きな老茶頭を選り分け、約9年の時を重ねて“とろり”とした甘みとまろやかさを引き出した一杯です。 お湯を注ぐと、穏やかな熟成香の奥から蜜を思わせる甘香がふわりと立ちのぼり、落ち着いた気配が広がります。 口に含むと、厚みのあるコクと“トロッ”とした甘みがなめらかに舌を包み、優しくもしっかりとした飲み応えが感じられます。 余韻には清らかな甘さが長く続き、香り・味・後味の三拍子がそろって満足感を高めます（大きな塊はやや抽出に時間がかかるのが唯一のデメリット）。 茶塊のサイズがやや不揃いなぶん価格は控えめながら、香り・味わい・後味の完成度は申し分なく、価値ある一杯です。

【大高勇気バイヤー視点の解説】 勐邦の古樹原料から形成された大きめの老茶頭のみを選り分け、約9年静かに寝かせて甘みと質感を磨き上げたロットです。 注湯すると、穏やかな陳韻の奥から蜜を思わせる芳香がふわり。口に含むと、グロッシーなとろみを帯びた茶湯が舌をやさしく包み、角のないコクと上品な甘味が層を描いて広がります。後口は澄み、甘香が喉元まで伸びて長く続きます。 バイヤー視点では、古樹由来の厚みと“とろける甘さ”の同居を高く評価し採用しました。茶塊は大ぶりでサイズ差があるため、計量・抽出にひと工夫（やや長めの抽出）が必要なのが唯一の弱点ですが、味・質感・余韻のすべてが上質です。ゆっくり時間をかけて、熟成のまろやかさを存分にお楽しみください。

古樹老茶頭・勐邦生産年：2016年春
賞味期限：50年

雲南省・勐邦の熟成茶郷──勐邦（もうほう）
勐邦は、中国雲南省西双版納州勐海県の南西部に位置し、豊かな自然と温暖な気候に恵まれた熟プーアル茶の名産地です。山々に囲まれた静かな土地には、樹齢数百年の古茶樹と茶畑が広がり、少数民族の人々が代々守り継いできた茶づくりの文化が息づいています。

標高は1,200〜1,600メートル。年間を通して温暖で湿潤な気候は、熟茶の発酵・熟成に理想的な環境を提供します。春に手摘みされた茶葉は、伝統的な渥堆（あくたい）発酵によってじっくりと仕上げられ、やわらかな甘みと丸みのある風味が引き出されます。化学肥料や農薬は使わず、自然と共生する栽培方法が守られています。

勐邦の熟プーアル茶は、黒糖や干し果実を思わせる芳醇な香りと、口の中に広がるまろやかで深い甘みが特徴です。時間の経過とともに角が取れ、よりしっとりとした味わいに熟成していきます。その一杯は、心と体をやさしく温めてくれます。

勐邦が紡ぐ、時と自然が育てた熟成の妙。
芳醇でやわらかな滋味を、ぜひご堪能ください。