黒茶・98年雲南熟プーアル・古樹歳月陳韻

【ご案内】2025年より茶葉紹介方法が文章解説に進化しました。
・茶葉の特徴をまとめた説明文
・大高勇気バイヤー視点の解説
・産地や環境についての紹介文　　3つの視点から、わかりやすく解説します。

【熟プーアル茶 古樹 歳月陳韻（1998年春）】は、古樹の芽葉を用い二十年以上の熟成を経て、極めて純度の高い香味を湛えた逸品です。 長い歳月が角をほどき、味・香り・後味のすべてが研ぎ澄まされ、やさしくまったりと包み込むような円熟味が際立ちます。 お湯を注ぐと、穏やかな陳香に蜜を思わせる甘香がふわりと重なり、落ち着きのある豊かなアロマが広がります。 口に含むと、シルクのように滑らかな茶湯が舌をやさしく覆い、まろやかなコクと清らかな甘みがゆっくりと溶け合います。 余韻には上品な甘香と深い陳韻が長く続き、希少価値だけでなく完成度の高さを静かに物語る一杯です。

【大高勇気バイヤー視点の解説】 雲南の古樹から1998年春に摘まれた芽葉を用い、二十余年の静かな熟成で香味を練り上げたロットです。長い歳月が角をそぎ、茶葉本来の甘さと奥行きを澄んだまま引き出しました。 注湯すると、落ち着いた陳香に蜂蜜や棗を思わせる甘い香りが重なり、穏やかながら厚みのあるアロマが広がります。口当たりはシルクのように滑らかで、丸みのあるコクと清らかな甘みが静かに溶け合い、雑味のない透明感が一貫して続きます。 余韻には上質な甘香と深い陳韻が長く尾を引き、飲み終えた後も舌上にやわらかな甘さが戻ります。バイヤーとしては、古樹由来のまったりした質感と、全体を貫く洗練された透明感を高く評価し採用しました。希少性だけに依らない、完成度で選んだ一杯です。

古樹歳月陳韻生産年：1998年春
賞味期限：50年

雲南省・布朗山の雄大な茶郷──布朗山（ぶろうさん）
布朗山は、中国雲南省西双版納州勐海県の南部に広がる名高い茶産地で、古くから力強い風味のプーアル茶を生み出すことで知られています。山域には布朗族をはじめとする少数民族が暮らし、彼らが代々守り継いできた古茶樹が、今も豊かな森の中で息づいています。

標高は1,200〜1,800メートル。昼夜の寒暖差が大きく、適度な湿度と肥沃な赤土が茶葉に濃厚な旨みと厚みのあるボディを与えます。農薬や化学肥料は用いず、春には一芯二葉を丁寧に手摘みし、伝統製法でじっくりと仕上げます。

布朗山の生プーアル茶は、重厚な香りと力強いコク、そして飲み進めるほどに現れるまろやかな甘みが特徴です。しっかりとした骨格を持ちながらも、熟成によってまろやかさと奥行きが増し、時とともに味わいの表情が変わっていきます。

布朗山が育んだ、力強くも深みある一杯。
大地のエネルギーを宿した味わいを、ぜひご堪能ください。