2025年生プーアル・刮風寨冷水河大樹Teabag・極稀少

2025年生プーアル・刮風寨冷水河大樹Teabag・極稀少

販売価格: 1,260~11,700(税込)

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商品詳細

【ご案内】2025年より茶葉紹介方法が文章解説に進化しました。
・茶葉の特徴をまとめた説明文
・大高勇気バイヤー視点の解説
・産地や環境についての紹介文  3つの視点から、わかりやすく解説します。


【生プーアル茶 刮風寨 冷水河 TeaBag(2025年春)】は、雲南省・易武山の冷水河で早春に摘まれた芽葉を、そのままティーバッグに閉じ込めた希少ロットです。川沿いの原生林に守られた茶園から生まれる〈森林気〉と呼ばれる清らかな香味が際立ち、透き通るような味わいとやわらかな甘みが調和しています。
お湯を注ぐと、澄んだ森の空気を思わせる凛とした香りが立ちのぼり、冷水河ならではの清涼感が静かに広がります。口に含むと、透明感あふれる飲み口の中に甘みがふわりと溶け込み、味わいと甘みの両方がしっかりと舌を包み込みます。少し温度が下がると、上品でスッと溶けるような風味に変わり、森林気を帯びた清らかな甘みが余韻として長く残ります。透き通った旨味とやさしい甘さが重なり合う一杯は、生プーアル茶初心者から愛好家まで心地よく満足させてくれる逸品です。

【大高勇気バイヤー視点の解説】 ラオス国境近く・冷水河沿いの原生林で頭春に摘まれた芽葉だけを使った限定ティーバッグです。 湯を落とすと、朝靄を含んだ杉林の清香に淡い花蜜が重なり、冷水河特有の“森林気”がすっと広がります。ひと口目は水のように澄んだ飲み口、続いてやわらかな甘みとピュアな旨味が舌をやさしく包み込みます。温度が少し下がると、甘みがいっそう透明になり、後味をさらりと覆う心地よい甘香が長く残ります。 僕が高く評価したのは、冷めても雑味が出ず、むしろ甘みが伸びる点。森林に守られた畑でしか得られない清涼感と、ティーバッグとは思えない奥行きが共存しています。淡い味付けの蒸し野菜や白身魚と合わせれば、お互いの滋味が引き立ちます。初心者にも愛好家にも自信をもっておすすめできる、刮風寨ならではの清廉な一杯です。

生プーアル・冷水河生産年:2025年
ティーバッグ生産日:2025年7月25日
賞味期限:50年

清流が磨く甘潤の秘境・冷水河(ロェンシュィフェ)

雲南省西双版納州勐腊県・易武鎮の刮風寨最奥、標高およそ1,250〜1,300メートルの深いV字谷に、冷水河は静かに息づいています。谷底を縫う清冽な湧水は一年を通じて涸れることなく岩肌を潤し、朝晩には乳白の霧が流れて昼夜の寒暖差を大きく広げる“冷涼湿潤”の微気候を形成。この独特の環境が、樹高5〜8メートルの高杆古樹に瑞々しいミネラルと透き通った甘香を授け、刮風寨の中でもひと際シルキーで涼やかな味わいを生み出します。

春、森に緑が息吹く頃、夜明け前に山小屋を出発し、片道3〜4時間道程を経て“一芯二葉”をそっと摘み取ります。生葉は竹簾の上で柔らかく日晒し萎凋され、弱めの薪火で短時間の殺青。揉捻は易武流らしく軽く、葉脈に残る冷泉由来のミネラルと透明感を守ったまま日陰で静かに乾かされます。年間に仕上がる毛茶はわずか80〜120キログラム。“幻のロット”と呼ばれる所以です。

湯を注げば、若草と野花が溶け合う繊細なアロマが静かに立ち上り、杯を近づけると雪どけ水のように清涼な甘香が鼻腔を潤します。ひと口含めば、絹のように滑らかな液体が舌をなで、ライチ蜜を思わせる柔らかな甘みと岩清水のミネラル感、そして薄荷のような涼感が層を成して広がります。飲み下せば喉奥にひやりとした余韻が長く漂い、やがて花蜜の優しい甘さがふわりと戻る——“クール&スウィート”という言葉がこれほど似合う茶は他にありません。

刮風寨・冷水河が育んだ、冷泉と霧が磨いた甘潤の生プーアル。
透明な余韻とともに、秘境の息吹を一煎ごとにご堪能ください。


原産地の茶葉を正山茶と呼び、この地で守り受け続けられてきた文化や歴史を私達は大切にしています。卸先産地研修資料から抜粋し、価値ある正山茶をより深く理解して頂ける心がけています。

[易武(慢撒)・刮風寨 冷水河]茶区ガイド――[「軽い苦→長い甘」、劇的な回甘を描く渓谷の自然環境]

1概要
冷水河は、刮風寨の中でも谷筋に沿って古茶園が点在する小微産区(マイクロテロワール)。ラオス国境へと抜ける原生林帯の最深部に位置し、標高はおよそ1,400〜1,800m帯とされます。渓谷を這う冷気と濃い霧、直射を和らげる高木の樹冠が、易武らしい「香揚・水柔」をいっそう際立たせます。杯中では、白花〜蘭様の高い花蜜香に、入口で一瞬触れるごく浅い苦底が迅速に甘露へ転じ、喉奥で長く続く――いわゆる「軽い苦→長い甘」のドラマ性が象徴的。雑味の少ない“細い水”と清潔なミネラル感が骨格を整え、若茶では透明感、経年で蜜と香木のレイヤーが重なります。刮風寨の中でも、個性が最も明瞭に体験できる区画のひとつです。

2地理環境
冷水河の核心は、尾根と谷が密に交錯する地形。朝夕は放射冷却で冷気が谷底に溜まり、昼間は霧が遅くまで滞留します。高木の樹冠が拡散光を作り、古茶樹は半日陰でゆっくり生育。花崗岩〜砂岩由来の赤壌土に厚い腐植が乗り、排水と保水のバランスが良い土壌が、清潔な甘さと長い余韻を後押しします。根は岩の裂隙と腐植層を縫うように深く伸び、杯に“塩梅”の整ったミネラル感を映すのが特色。林地茶園の形態が基本で、広葉樹・蘭科・シダ類が混生する生物多様性が微気候を安定化。施肥・整枝を抑えた低介入の管理と、国有林・保護林に連なる景観が、渋みの角を立てにくい香味設計に寄与します。谷筋特有の湿潤と冷涼が、香りの密度と回甘の速度を規定します。

3到達の難しさ
核心区画は未舗装の林道のさらに奥、急傾斜や渓流の徒渉を伴う場所に点在します。雨期は道の崩落や増水で車両が入れず、搬出は今も人力比率が高いのが実情。一度に運べる生葉は限定的で、採摘は選芽精度を優先する小さなチームが徒手で行います。小区画モザイクの畑構成ゆえ日量は細り、選別を厳格にするほど歩留まりは低下。単樹・単片区・単日のロット運用を志向すると、供給はさらに断続的になります。天候・道状況・人員という不確実性が重なり、増産に向かない構造が継続。その“届きにくさ”が結果として味の純度を守り、冷水河名義の高純度ロットは常に少量で推移します。希少性は誇張ではなく、地勢と運用に由来する必然と言えます。

4歴史の輪郭
刮風寨は易武の歴史と歩調を合わせてきましたが、冷水河が独立名で広く語られ始めたのは2000年代後半〜2010年代。産地単位の個性を重視する流れの中で、試飲会や現地レポートが「軽い苦→長い甘」という明快な輪郭を可視化し、一躍注目区画に。以後、園地・樹齢・採摘日の表示や現地タグ、動画等によるトレーサビリティが整備され、名義の混同を避ける動きが加速しました。冷水河は“易武の王道を劇的に示す区画”として、教育・評価の場面で参照点となり、単一産地のロットでも、ブレンドでも“回甘の軸”として扱われることが増加。古典的な晒青製法に衛生・選別の現代基準を重ねる潮流の中で、清潔な質感と奥行きを両立する作りが主流化しています。

5産地が育む味わい
香りは白花〜蘭様の高く澄んだ花蜜香に、谷霧由来の“冷香”が重なり、杯縁に香りが張り付きます。味わいは入口でごく浅い苦底が一閃し、即座に清らかな甘露へ反転、喉奥で長い余韻を描く――これが冷水河の証拠。清潔な味わいで、渋みの角は立たず、雑味のない“細い水”が骨格を形成します。中盤以降は上品な粘性が現れて層を作り、余韻は静謐に長く伸びるタイプ。同じ刮風寨でも、黒水梁子が高標高ゆえの澄明さと厚み、茶坪が端正な直線性、白沙河が蜜香のふくらみで印象づけるのに対し、冷水河は「軽い苦→長い甘」の変化性と回甘の速度・滞留時間で抜きに出ます。若茶は明澄、経年で蜜・香木の陰影が重なり立体感が増します。

6「“軽い苦→長い甘”の代名詞」という位置づけ
冷水河のキーフレーズは「“軽い苦→長い甘”の代名詞」。易武の王道をなぞりつつも、入口の微細な苦底から甘露へ切り替わるスピードと、喉奥に残る甘さの滞在時間が、他区画より劇的で分かりやすい。作柄評価や買付の現場では、まず冷水河で“回甘のスピードと尾の長さ”を測り、他区画の表情(澄明さ・端正さ・蜜の厚み)を相対評価する手順が定着しています。単独でも完成度が高い一方、ブレンドの軸としても“甘の持続”を付与しやすいのが強み。薄荷塘の冷香で明度を上げ、黒水梁子の澄明さで輪郭を研ぎ、落水洞や麻黒の均整で全体を整える――冷水河は、その中心に据えやすい座標です。

7刮風寨冷水河のまとめ
冷水河の魅力は、誰にでも感知できる明瞭な物語性にあります。入口で一瞬だけ触れる微細な苦底が、すぐさま清らかな甘露へと切り替わり、喉奥で静かに、しかし長く滞在する。この“軽い苦→長い甘”は、易武が本来持つ「香揚・水柔」を最もドラマティックに可視化する表現であり、初学者には産地個性の学習を、愛好家には微差の鑑賞を提供します。谷霧が長く留まる地形、直射を和らげる高木の樹冠、赤壌土と厚い腐植がもたらす清潔なミネラル感――三つの要件が重なることで、渋みの角が立ちにくく、回甘のスイッチが素早く入る設計が成立します。刮風寨内の比較でも、黒水梁子が高標高由来の澄明さと厚み、茶坪が端正な直線、白沙河が蜜のふくらみを示すのに対し、冷水河は“時間軸の演出”で魅せる産地。甘さがただ強いのではなく、立ち上がりの速さと滞在の長さ、その間に現れる蜜蝋や白桃、軽い香木の陰影が、杯の中に立体感を生みます。 希少性も価値の一部です。未舗装の難路、雨期の増水、徒渉の必要、モザイク状の小区画、選芽精度を優先する運用――どれも増産に向かない条件ですが、その不便さが味の純度を守ります。ロットが細りやすい代わりに、情報密度は高く、飲み手は“場所の記憶”を掬い取りやすい。市場では、単一産地のロットで「回甘の軸」を示す教材的存在として、またブレンドの設計で“甘の持続”を与える核として重宝されます。他産地との対照も鮮やかです。勐海系(老班章等)の直線的な力感や厚い苦底に比べ、冷水河は角を立てずに深さを出す“静的な強さ”。勐庫・冰島系の結晶的な甘さに対しては、甘さの立ち上がりと喉韻の滞在時間、森気が添える陰影で差別化されます。 要するに、冷水河は“易武の美点を、時間の物語として体験させる産地”。若茶ではガラス質の透明感の中にスイッチの速さを、年を経るごとに蜜と香木のレイヤー、微細な薬香の気配が加わり、物語はより深く長い章へ進みます。初めて易武に触れる人にも、熟練の鑑賞者にも、同じ一杯が異なる角度で語りかけてくる――その普遍性と奥行きこそが、「“軽い苦→長い甘”の代名詞」たる所以です。